だけど。

陸が、あたしから離れない……。

最初は気にしてなかったけど……次第に……。

正直……ジャマ。

「陸離れて?」

「ヤ〜ダ」

このガキっ……かわいこぶるな。


う〜ん……よし!

頭の中に、ひとつの考えが浮かんだ。


「じゃあさ、手伝って!」

はいっという感じで、陸にじゃがいもを握らせる。


「いいよ」

「お願いね」

ニコッと笑って、あたしは鍋に水を入れて、沸かすことにしたんだけど……。





「ギャアアア―――!?」


すぐに悲鳴を上げてしまった。

なぜなら……。


「り、陸!」

「あ?」

「包丁持つ方、ちっが〜う!!」


陸は……柄の方ではなくて、刃先を握っていたから───……。