あたしだけじゃなくて、陸も……。

「大丈夫なんじゃね?」

まったく平気という顔で見てる。


そして、あたし達は、見鬼だから……。

「あっ!陸!本物いるよ!!」

「マジだ。5人はいるな」

「うん!」

一般の人には見えない幽霊……怨霊が映像の中いると視えるんだ。

主人公にしがみついている左腕がない女性の霊。

怨霊役の女性の背後にいる両目がない男の子の霊。

天井をはいつくばっている血だらけのお婆さんの霊。

床を這う五体不満足の男性の霊。

映像の隅に映っている……般若のような形相をした女の子の霊。


「すごいねぇ〜」

「だな」

映画の内容そっちのけで、次々と映る本物の怨霊達を見る。

ホラー映画って、撮るだけで……こんなに幽霊を集めちゃうんだと思った。


借りて来た映画シリーズ3本をすべて陸と鑑賞する。

あたし達が見つけた本物の怨霊は、軽く100体を越えていた。