「わからない…んです…私は誰だか…」


「解らない!?」



唯は下を向き一滴の涙を流した


「泣いてるのか…?」


「ここから…だして…」


もう自分自身が解らなくなりおかしくなりそうだった


「泣くな…騎士!!娘を出せ」


陛下は唯の涙を手で拭い、奥に行った騎士を呼び戻した


「出したら私の執務室へ連れてこい」


「ですが…」


「早く出せ」



キィ…

「でろ…付いてこい。」


「……」


唯は涙を流しながら騎士の後を追った