マリアはすかさずダンテの腕を掴んで行かせない


「マリア姫?」


「ダンテ様…行かないで…」

その時だった
辺りがざわつきはじめた


「見ろ…パロ(神官)様の隣を…」


「誰だ!?」


みな釘付けでみていた

マリアも辺りが一点を見つめているのに気がついた


そして…


「ユイ…」


ダンテの口から溢れた名前と同時に愛しそうな顔をみせる


マリアは悟った

ダンテや周りの視線の先に憎い相手がいると


――私からダンテ様を奪った相手がいるわ‥


唇をきつく噛むマリア