信じられず、しばらく家の前で突っ立っていると一人の大きな男の人が顔を出した。


「君が、山本碧さんかい?」


電話と同じ声だ。


私はひとつうなづくと、その人――すぐるの父親は、私を家の中へと招きいれた。


家の中は、その外観通り洋風の屋敷を思わせるつくりだった。