それを見てホッとし、表情を緩めていると律が私をつついてきた。


「何?」


キョトンとして聞く私に返事をしたのは……律ではなく、ぶつかった相手のほうだった。


「『何?』じゃぁねぇ~だろ」


その声の持ち主を、見上げると、キツイ視線が飛び込んできた。