「契約をしよう」


パッと身を離したかと思うと、突然森山すぐるはそんなことを言い出した。


「契……約?」


触れられていた場所が、まだ熱い。


ポーッとして、頭の中が回転しない。


「そう。俺と、碧の、契約」


この人、顔だけじゃなくて声までカッコイイんだ。


耳元でささやかれたら、なんでも言うことを聴いてしまいそうになる。


キュッと胸が締め付けられるように、切なくなる。