「弥生……花火が見えるぞ」


廊下の端にある大きな窓から、外を眺める。


「すっげぇ……キレイだぞ」


すぐるの声が、か細く震える。


手の中のイチゴ飴も、それに合わせて震えた。


弥生さんが寝かされているベッドの脇で、看護士が一人。


弥生さんの体を、丁寧にタオルで拭いていく。


その横には……エンジェルセット……。


「弥生……」


その様子を見ていた清子さんが呟く。


「すぐるのこと、守るから……。絶対に、守るから――!!」