胸にポッカリとあいた穴が、ズキズキとひどく痛む。


家まで走って帰った私は、ただいまも言わずに自分の部屋に鍵をかけた。


ベッドの上で両膝を抱え、しゃくり上げる。


誠先輩を、突き飛ばしてしまった。


それなのに、、まだすぐるが頭の中を占領していることで、涙が出る。


まだ、好きなの?


誠先輩よりも、あんなヤツを好きなの?


自分にそう聞いてみる。


答えは……イエス。


そんなの、聞かなくてもわかっていたことだ。


「もう……やだ」