違う!!


思わず、誠先輩を両手で突き飛ばしていた。


バランスを崩した先輩は、そのまま後ろへしりもちをついてしまう。


「……っ!!」


涙が、出る。


唖然としたような誠先輩の顔が、目に焼きつく。


けれど、私は先輩に声をかけることなく、走り出していた。


なに、やっての?


なにやってんの? 私。


とめどなく流れる涙。


バカじゃん、私。


最低じゃん!!