誠先輩に好きだと言われてうれしい。


心の中が、ポッと温かくなる。


けど、違う。


私がほしい『好き』は、これじゃない……。


もっと、胸の奥がギュゥッと締め付けられて、息ができないくらいに苦しくて。


その人の事を考えるだけで死んじゃうんじゃないかって、不安になるくらい好きで……。


「……碧」


誠先輩の唇が、私の唇に触れた。


乾燥のせいで少し荒れてて、チクリと胸の方まで痛む。


違う……。