その言葉に、一瞬すぐるの言葉を思い出す。


『今日から碧は俺の女だ。だから、俺は碧を絶対に名前でしか呼ばない』


すぐる……。


『だから、碧も俺のことを『すぐる』って呼べ。それ以外の呼び方は禁止する』


すぐる……!


「碧ちゃん? どうしたの?」


ハッと気づくと、誠先輩が心配そうに私を覗き込んでいる。


「あ、いえ。なんでもないです」


慌てて首を振る。


「大丈夫? ボーッとしてたけど」


「大丈夫です」


そう言い、俯く。