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待ち合わせの公園についたのは、約束の10分前だった。


「寒い……」


今日は急に冬らしく気温が下がり、吐き出す息も白くなっていた。


携帯電話で時間を確認し、どこかお店の中で待っていようかと辺りを見回す。


小さな公園から少し歩けばファミリーレストランがある。


でも、その間に誠先輩が来てしまうかもしれない。


そう思いなかなか動けずにいると、公園の入り口に見慣れた背の高い男の人が現れた。


「碧ちゃん!」


「誠先輩」


先輩の口からも、白い息が吐き出される。


「ごめんね、待った?」