「誰だっていいでしょ!? 用事がないなら出てってよ、着替えるんだからっ!」


「あ、もしかしてこの前の背の高い人?」


そういえば見られてたんだ!


「すごく優しそうで、カッコよくて、好青年って感じだったわよねぇ? よかったわねぇ碧」


慌てて否定しようとした私に、お母さんはそう言って微笑んだ。


「碧には全然いい話しがないから心配してたのよ?」


「そんな心配しなくてもいいのに」


「そうねぇ。あんないい人が見つかるなら、心配はいらなかったわ」


やっぱり、誠先輩の印象はかなりいいみたいだ。


お母さんの喜ぶ顔を見ていたら、私も自然とうれしくなってくる。