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教室に入ると、真っ先に律が駆け寄ってきた。


いつもと変わらない、一日のスタートだ。


「碧!! もう大丈夫なの? メールしても返事ないから心配したんだからねっ!!」


少し痛いほどに私の肩をつかみ、揺らす律。


「ごめんね、メール返せないくらい元気なかったんだけど、もうこのとおりだから」


そう言い、私は力コブを作るしぐさをして見せた。


律はホッとしたように微笑み、それから、真剣な表情に変わった。


「碧、S王子のことなんだけど」


ズキン。


胸が、飛び上がるほどに痛む。


呼吸が苦しくて、まっすぐ律を見ることができない。