誠先輩の言葉に、私は一つ頷いた。


「すみません、一緒にいるのにこんな話しちゃって」


「あ、いいよ気にしなくても」


「でも……」


「そんなにすぐに吹っ切れるもんじゃないと思うからさ。ただ……」


私は誠先輩を見上げた。


学校の近くの大通りは、通学途中の生徒が多い。


その道に出る、手前のことだった。


先輩は立ち止まり、私の額に自分の額をコツンと当てる。


「誠……先輩?」