その笑顔に、ホッと安堵のため息が漏れて、同時にチクリと心が痛んだ。


すぐるがいなくても、こんな笑顔が作れるという事実が胸に刺さったのだ。


玄関を出ると、メールの通り誠先輩が待っていてくれた。


「碧ちゃん!」


私を見つけて、すぐに駆け寄ってくる誠先輩。


「おはようございます」


なんだか照れくさくて、俯いたまま挨拶をした。


誠先輩は私の右手を握り「行こうか」と、歩き出した……。