「はい?」


「体調いいなら、明日には学校おいでよ」


私は誠先輩を見あげるようにして見る。


「まだ、森山のことが気になって来づらい?」


「そんなこと……ないです」


半分本当。


半分嘘の返事だった。


その瞬間、なぜだか私は、誠先輩の大きな腕の中にすっぽりと包まれていた。


目をパチクリする私を、誠先輩は優しく抱きしめる。


「誠……先輩?」


少しだけ、胸がドキドキと音を鳴らす。