「いえ、もちろん途中からは本当に好きでした。

けど、出会って突然キスされて、付き合えって言われて……。それが、私たちの最初だから……」


「呆れたヤツだな」


誠先輩はそう言って、軽くため息を吐き出した。


「恋、してるつもりになってただけかもしれないです」


そう呟き、俯く。


初めて告白されて、彼氏ができたから……。


恋してるつもりになって、舞い上がっていただけ。


だって、そうじゃなきゃ今こうして誠先輩と笑いながら話なんて、できるワケがないもん。


「ねぇ、碧ちゃん」