「碧ちゃん!! 俺だよ!!」


玄関先で、大声で私の名前を呼ぶのは、誠先輩だ。


「今出ます!!」


私は自分の部屋の中でそう返事をして、パジャマの上にカーディガンを羽織る。


この顔のままじゃやばい。


そう思い、赤くなった目に目薬をさす。


余計に泣いてみえるかもしれないけど、仕方がない。


私はパタパタと早足で玄関へと向かった。


「碧ちゃん、よかった」


私が玄関を開けると、ホッとした表情の誠先輩がいた。