私は、律を見る。


「もう、気づいてると思うけどさ」


「なに?」


「私、誠先輩のこと、好きだから」


夜空にパンパンと音が鳴り響く。


風で流れなかった煙が、モワモワとその場にとどまっているのが見える。


「うん……」


「誠先輩が、誰を好きでも。私誠先輩のことが好きだから」


律の声は、くぐもっていない。


単純に、そして純粋に。


誠先輩が好きなのだと、私に教えたかったのだ。