「はい?」


中から出てきたのは、背の高い40代半場くらいの女の人だった。


すぐるのお母さんかな?


「あの、私山本碧といいます。すぐる……君はいらっしゃいますか?」


背筋をピンッと伸ばし、まるで片言の日本語のようにぎこちなく聞く。


「あぁ、さっきの電話の子ね?」


「え……?」


「ごめんなさいねぇ。電話とったの、私なの」


そう言い、口元に手を当てて上品に笑う。


あの電話の声って、すぐるのお母さん!?


そうと知ると、急に体中の力が抜ける。