「仕事は、楽しかったよ。初めてのことばっかりで大変だったけど―――スタッフも親切だったし、共演の役者さんたちもみんないい人たちで、すげえ恵まれてるなあって思った」


いつものバーで、要の言葉にゆずは嬉しそうに笑った。


「よかった!メールでも聞いてたけど・・・・・ちょっと心配だったから。初めての仕事って、緊張したりするし」


「緊張―――ゆずちゃんも、緊張した?キャバクラの仕事」


「うん、まあ・・・・・夜の仕事もやったことなかったし、やっぱり最初は抵抗あったかなあ。でも、やってみたら楽しくって・・・・・こういうのもいいなって思えるようになった」


「嫌がらせとか・・・・・嫌な客に当たることもあっただろ?それでも?」


要の言葉にゆずはう~んとうなり、首を傾げた。


「確かに、嫌なこともあるけど―――それはたぶん、どの仕事でも一緒だし・・・・・それに、こうして話を聞いてくれる人もいるし」


そう言って、ゆずはえへへと笑った。