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…また明日か。



「先生、消してください。連絡先」



「…ああ。わかっている」


あいつの名前をこのケータイから消せという生徒は整った顔で俺を見ている。



その顔は、冷たくて敬語を使っているのに尊敬なんて言葉は似合わない目で俺を見ている。



“削除しますか?”



あとは、はいのボタンを押せばいいこと。



それだけなのに、押せなくてどれだけアイツに依存していたのかわかる。



「先生?僕が押しましょうか?」



クイッと首を傾げ、微笑む男子生徒の目は笑ってない。