連続して打ちあがる花火の音。 歓声と共にこだましている。 もう終わってしまうのかしら。 本当の気持ち、伝えなきゃ。 「ゴメン。全部嘘なの。本当はね」 ちゃんと聞いててよ、ヒロト。 「私だけを見てくれなきゃ、嫌なの」 ねえ、ちゃんと聞いてる? 「ヒロトが好きなの」 返事がない。 「ねえってば!」 「……ん?何か言った?」 花火の音に打ち消されて、届かない。 言葉も。気持ちも。全て。