ヒロトは参考書を開いている。 私はぼんやり窓の外を眺めている。 道ゆく人たちの傘。 きれいな花が咲いて。花火のよう。 花火大会、楽しかったな。 もっと恋人のようにラブラブに。 そしてドキドキしたいのにな。 時間だけが過ぎていく。 「おまえさ、何考えてんだ?」 「別に」 いつの間にかコーヒーもなくなって。 もう氷しか残っていない。 窓の外の雨は、まだやむ気配はない。