「りっちゃんに、笑っていてほしいから龍兄は助けたんだよ。なのに、りっちゃんが壊れたら龍兄、悲しむだろ」


圭ちゃんは体を離し、
あたしの手の上に何かをのせた。



「龍兄のズボンのポッケに入ってた。りっちゃん宛だから」





そう言って圭ちゃんは
立ち上がって行ってしまった。