夢なのではないか。
いや、夢であってほしい。




そんな、願いは叶わない。













「いやああああ!!」




あたしは崩れ落ちるかのようにしゃがみこんだ。




「いや!いや!龍ちゃん!」


あたしは地面を拳で殴った。



血が出る。
痛みなんて感じない。

涙が口の中に入った。
しょっぱくて、不味い。





「りっちゃん!」



誰かがあたしの体を支えた。



「しっかりして、りっちゃんは泣いちゃダメだ」



あたしはゆっくりと顔を上げるとそこには涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった圭ちゃんがいた。



「龍ちゃんはね、あたしのせいで死んだんだよ…なのに、なのに!なんで誰もあたしのこと責めないの!」



圭ちゃんはあたしのことを優しく包む。



「誰も責めないよ。りっちゃんのせいなんかじゃないんだから」



圭ちゃんはあたしの背中を擦りながら言った。