律花の両親?
律花を助けたくて、俺を生き返らせた?
「田崎律花さんはあなたに恋心があったことをご存知ですよね?律花さんが好きになった人にはちゃんと"天国"に逝ってほしいとの願いもあったそうです」
「そして、あなたは生き返り運命をたどり、田崎律花さんを助け亡くなった」
そうか。
俺のやり残したこと。
それは、律花を助けることだったのか。
「それは、最後まで生き抜いたことになり、あなたは"天国"へと導かれるのです」
そう言って、"天国"への扉を開くデルデ。
「龍斗さん。"天国"にはあなたのお母様もいらっしゃいます」
また、デルデの優しい顔。
俺は涙が出た。
哀しいとかそんな涙じゃない。
ただ、愛に溢れた涙。
「"天国"であなたに逢えるのをずっと待って居ますよ」
デルデは、俺の右手を両手で包んだ。
「良かったですね。"天国"へ逝けるということは、また"生まれ変われる"ということです」
そう言ってデルデはそのまま俺の手を引いた。
「さぁ、行きましょう。"天国"へ」
俺は、一歩踏み出した。
さよなら、俺が生きた世界。
「またな、俺が生きた世界」