「どうして…俺が"天国"なんだよ」
すると、デルデは優しく微笑んだ。
デルデのそんな顔を見たのは初めてで、すごく暖かさを感じた。
「あなたの運命は、田崎律花さんを助けて、代わりに龍斗さんが事故に遭って亡くなるというものでした」
デルデはゆっくりと下を向き、俺から目を反らした。
「しかし、あなたが事故の前に自ら命を落とした。それは、田崎律花さんの"死"を意味しています」
俺は、体が震えた。
律花が死んでいた。
『だた、飛べてしまっただけ』
そんな簡単なことに考えていた自殺が律花の命まで奪うこととなっていたのか…
「あなたが自殺したことを知ってあなたの導きを頼んだ"とある方"とは、田崎律花さんのご両親です」