俺の体が宙に跳ね上がるのが分かった。



「龍ちゃーん!!」





律花の声が耳に残る。



体がビリビリする。


俺はゆっくりと目を開けた。



「龍ちゃん龍ちゃん!しっかりしてっ」


「り…つか、だいじょ…ぶか?」



目の前には律花が目からボロボロと涙を流して泣いている姿があった。




「馬鹿!何言ってんのよ!あたしの心配なんて…」



律花は手足に擦り傷があるくらいだった。


良かった…
助けられた。



「やだよ、龍ちゃん。まだ、あたし何も龍ちゃんに伝えてないのに…」




律花が俺の体に顔を埋めなから言った。



「ごめ…ん、な」



その時、律花の後ろには
デルデが立っていた。



デルデの姿は俺以外の人には見えていないらしく、いつの間にか律花の後ろに立っていたデルデに誰も反応しなかった。




「来た、か…」



律花の顔がボヤける。
意識が遠くなる。





「龍ちゃん!やだっ!死なないで!」





律花の叫び声だけが聞こえた。







「龍ちゃんが好きなの…」







その言葉を最後に聞いて俺の心臓は止まった。