そう言うと、静かに圭太は立ち上がった。
「だから、良かったよ。龍兄が生きてて」
「なんでだよ? 今の流れだと、俺居ないほうがいいじゃねーか」
そう言った俺の顔を
圭太は悔しそうに見る。
「龍兄は知らないからだよ。脱け殻みたいになったりっちゃんを知らないから…」
気付けば涙を流す圭太が居た。
「俺は、そんなりっちゃんに何も出来なかった。りっちゃんのそんな姿見たくなかったのに…」
歯を食い縛って涙を堪えるが、涙は次々と溢れ落ちる。
そんな圭太に俺は
馬鹿みたいな質問をした。
「俺は生きてるか?」
すると、涙の止まらない目で圭太は俺を見て言った。
「生きてるよ」