「ん、うう…ん?」
茶色の天井。
気がつくと、箱みたいな物の中で俺は寝ていた。
「なんだ?」
上体を起こして
辺りを見渡す。
俺の周りには
沢山の花が置かれ、
黒い服を着た人が
皆、ハンカチで目を抑え
泣いている。
お坊さんが
訳の分からない言葉を発している。
後ろを振り返ると、
俺の遺影。
「いえ、い…遺影!」
まさかっ!
これ、俺の葬式か!?
すると、
「キャー!」
喪服を着た人達が
俺を見て叫び出した。
「なんで!? お、お化け?」
「よみがえったぞっ!どーなってんだ?」
「龍斗くん!? う、嘘…」
次々に俺を見て
ざわめき始める。
見れば、皆知ってる顔ばかり。
当たり前か…
俺の葬式なんだから。