ずっと隣で
ずっと一緒

"そんな幼なじみな関係が欲しい"

けどそんなの漫画の中だけだ

「中原~勉強教えて」


そう泣きついて来る男友達
藤原

「あんたさー
幼なじみの田中さんの方が頭いいんだから教えてもらいなよ」

"なんで私に頼るのやら"

私は呆れ気味だ

家も隣
生まれた時から一緒
しかも美人で
頭よしときたもんだ
それなのに彼氏もいないわけで
まさに漫画の主人公じゃないか
そこでいう君はヒーロー役なのだよ
藤原くんや


「だって真央は好きなやついるし」

そう呟く藤原にいらついて
思わず殴った私

「いってぇっ!
なにすんだ中原」


"それはお前だっ!"

つっこみを入れなかっただけマシだとおもう

だって
明らかに田中さんは藤原のことが好きだ
理由は分からないけど目で分かるんだ

…にしてもこの鈍感ボーイはなんなのだろうか

(もう一発殴りたい)

そう思って拳を用意した瞬間

「俺は真央より中原唯がいい」


そう笑って私の頬にキス


「俺は中原好きだよ
だから真央じゃなくて中原に勉強頼んでたんだ」

そういうと
"今日は返事いらないし勉強もしない"

そういって帰った藤原を見たあと私は椅子からなだれ落ちた

(―鈍感だったのは…私??)



…" 好 き "

その一言で私の世界は
藤原一色になったんだ