学校からの帰り道、マキから通信が有り千里眼に現れた。

「真一どう?」

「どう?ってどう?」

「千里眼似合ってるよ」

「学校で散々馬鹿にされましたっ!」

真一は教室で先生や皆に馬鹿にされた事を話ながら、もっとカッコいいメガネはないのと文句を言っていると。

「こらっ!お前!誰に文句つけとんねん」

それは酷い関西訛りで、どこから聞こえて来るのかとキョロキョロ辺りと見回してもそれらしい人は見当たらない。

「こら!どこに目をつけてんねん!お前の目の前みてみぃ」

「目の前と言われても~」杖を付いているお爺さんしかいなかった。

「アホンダラ!目の前っちゅうたら目の前じゃ!」

「目の前?誰もいませんが」

「下、もっと下!見てみい!」

真一が下をみると雑種の小犬が足にじゃれ付いていた。

「子犬?」

「そうや、やっと分かったかいな。しっかしトロイな~」

「マキ、子犬が喋ってるよ!」

「真一、千里眼外してみて」

真一が千里眼を外すと子犬がワンワンと吠えているようにしか聞こえない。

「?千里眼かけてると動物と喋れるの?」

「普通の動物は無理よ。その子犬は特別だよ」


どうやら、マキが死ぬ寸前の子犬の体に、暴力団の親分の魂を入れたのだと言った。

なんでも、生きてる時に凄く悪い事をして地獄に落ちた魂を更生させためらしい。


なるほど、それでこんなに口が悪いのかと真一は納得した。

「ところで、マキお嬢さん。なんでわてがこんなガキの守りをせなあきまへんの?」

「あら、ケンさん。いやだったら地獄に、お戻りになられます?」

「いえ、地獄は勘弁やさかい」

「はい、だったら、決まりね」

「マキ、お嬢さんには適いまへんなあ」

真一は、こんな子犬が俺の守役?何言ってんだよ、守りするほうはこっちじゃないかと思っていると。


「真一!なんやその怪訝そうな顔は。今日からやっかいになるさかい、宜しくたのんまっせ」

「え~ケンさんがをうちに来るの?無理、無理、絶対無理!」