真一は平然として語る阿修羅を横目で見ながら・・・・


「いや、阿修羅・・・さんの感覚では大丈夫なんだろうけど。僕達人間の感覚ではそんな事になった世界は地獄と変わらないよ。それにそんな世界で億万長者になっも・・・・意味ないし・・・・桃いらない」


あっけらかんと語る阿修羅の話は、真一にとってあまりにも想像に絶する世界だった。


「そう?だったら仕方ないわね」


そう言うと、阿修羅は手に桃を2個取って真一に抱きついた。次の瞬間二人の姿は消えた。


そこへ、のこのこと、ヘボ仙人が帰って来て、桃が無くなっているのに気がついた。


「おのれ!ワシの大事な桃を盗人するとは!事と次第によっては、ただじゃおかんぞ!」


ヘボ仙人はカンカンに怒り、手の平に水晶玉を取り出して犯人を探し始めた。


そして水晶玉に現れた犯人を見つけてニヤリと笑った。


「ま~た雷神、風神の馬鹿者達か!今度こそゆるさんぞ!」


そう言うとヘボ仙人は両手を結び霧のようになって消えた。