「真一、ケンさん、地獄門の鍵で緊急避難して」


「わかった！」


真一が地獄門の鍵を床に刺そうとした時、


「この方を置いていかれますか？」


狂牛魔王がそう言うと金属製の大きな金庫の扉が開き、鉄格子の中に美由紀がいた。


「美由紀！どうして？！」


「助けて！高島君！」


「うん、すぐに助けるから！もう少し我慢してて！」


「助ける？誰が？君の当てにしている雷神、風神はここには来れませんよ。ここにはサタンのシールドが張られているから雷神、風神を言えども入れませんよ」


「えっ！」真一は驚きと共に絶望的ピンチに陥った。


「わかったなら、地獄門の鍵を渡してもらおうか」


真一がポケットから地獄門の鍵を出して狂牛魔王に渡すと、


「これで逃げられる心配はなくなった。皆、金庫の檻の中に入っておけ！」


狂牛魔王の命令通り仕方なく、真一、美由紀、ケンさんは鉄格子の中へ入った。


「さて、それでは本題に入りましょうか。魔生お嬢さん、この人質を助けて欲しくば、人間界に来て人間となり。そして私の花嫁になってもらおうではないか」


「そんな事出来る訳ないじゃないか！」真一が檻の中から叫ぶと


「お前に言っているのではない。黙ってろ！」そう言って金庫の扉を閉めた。

狂牛魔王は勝ち誇ったように言った。

「さて、邪魔者はいなくなった。答えは？」


「一時間程待って」魔生は悔しそうに答えた。


・・・・・そして一時間後・・・・・・

「どうだ、決心はついたか？」


「ええ、答えはＮＯよ」