「アハハハハ、面白い事を言うワンちゃんだね、この状況で何を信じるの?奇跡でも起きない限り無理ね」

真一起きろ!雷神、風神、マキ、ケンさんは一心に願った。


「もういいかしら?さよならね、これで終わりよ」


死神マリアが鎌を振り降ろした。


・・・・・真一ぃぃぃーーーー!全員が叫んだ・・・・・



その瞬間、真一の額が3cm程縦に割れた。そして、そこから第3の目が現れ、眩い光を放ち始めた。


真一の人相は変わり、振り下ろされた鎌の刃を親指と一指し指で挟んで受け止めた。


「何事?!」


死神マリアは真一の只ならぬ様子に驚いて言った。


「持国天だよ、やっと出番が回ってきたか!あ~あ、待ちくたびれたぜ」

真一に乗り移った持国天はアクビをしながら言うと指先に挟んでいた鎌の刃を折って柄を掴んだ。


ケンさんは韋駄天が言ってた事は、この事だったんだと今はっきりと理解した。


「雷神、風神!こんな小さな女の子に手間取ってんの?それじゃあ、いつまで経っても女子には持てねーよ!」

そう言うと持国天の乗り移った真一は鎌の柄を引き寄せ、死神マリアを腕を掴み、法王の剣を突き刺した。

死神マリアは悲鳴を上げ、突き刺された部分から青白い光を発し呆気なく消滅した。


そして、法王の剣を鞘に入れた瞬間、真一は再び気を失った。すると真一の額から宝珠が現れて光ながら天空へと飛び去った。


真一が目を覚ましたのは自分のベッドの上だった、回りには雷神、風神、韋駄天、そしてケンさんの顔が並んでいた。


ふと、左手を見ると死のキスマークは消えて無くなっていた。

「僕、助かったんだ」


そう言うと、千里眼の向こうでマキが顔をくしゃくしゃにして泣きじゃくっていた。


「マキ・・・みんな・・・・ありがとう」


真一は目に涙を浮かべ、今生きている事に心から感謝した。