死神マリアがいる中心部分は真空となり被っていた黒頭巾がボロボロに切り刻まれだし青白い顔がはっきり見えるようになった。


そして風の渦に稲光が走り始め何メートルもある幅広い雷がドドドーーーンと落ちて地面がお盆のようにえぐられ白煙を発した。


「雷神!もう一度だ!」風塵の声が風の渦の中から聞こえたと思ったら、また同じように雷が落ち白煙をあげた。


死神マリアが倒れているのを確認すると雷神風神は円陣を解いて、ゆっくり地上に降りて来た。


「真一!今だとどめを刺せ!」雷神が叫ぶと真一はえぐれた地面に飛び降りて走って行った。


仰向けに倒れている死神マリアに剣を突き刺そうとした時、パチッと目を開いた。

「君は私を殺して、自分だけが生きようとしている。ずるいよ、それでいいの?」

真一は一瞬、躊躇(ためら)った。

「真一何をしてる!早くしろ!」雷神、風神が交互に叫んだ。

すると、死神マリアは直立不動のまま、さっと起き上がり鎌の柄で真一の頭を横から叩いた。

ドサッと真一は一瞬で音をたてて倒れた。


「雷神君、風神君!なんとかして!」マキが必死で叫んだ」


「動いちゃだめよ、動くと首を刎(は)ねるよ」


死神マリアは真一の首に鎌を当てながら言った。



「風神、擬態解除だ。どっちに転んでも真一は助からない」

「そうだな、風神」

二人が擬態解除しようとした時、ケンさんが二人の前にかけより・・・・


「二人共、あかんで!擬態解除した瞬間に鎌は振り下ろされるで」


「じゃあ、こんな状況でどうしたらいいんだよ!ケンさん!」

雷神が叫んだ。

「信じるんや、最後まで真一を信じてやるんや」

ケンさんは目に涙を溜めながら、二人に訴えた。