へっ、へっ、ヘクッショーン!

真一がクシャミをするとケンさんの姿がいち早く見えなくなった。

「ケンさん!ずるいよ。先に逃げたでしょ?」

「真一のボケェ、逃げたやないわい。偵察してんねん」


そして、屋上に出た真一は千里眼をマキに言われたようにセットして深夜の1時が過ぎるのを待っていた。

「マキ」

「何よ?」

「通信切らないでよ」

「もう、真一!男でしょ!?」


すると、まもなくして誰もいないのにギギギと扉が開いた。

「あっ!」真一は声にならない声をあげた。

あの女子生徒は4日前に死んだ子だ。4日前の夜中に一人で来たんだ・・・・

いや、一人じゃない・・・後ろに黒頭巾の女の子がいる・・・・・

「死神、アリア」千里眼の中のマキが驚いたように言った。

「なんだよ、死神マリアって?」

「説明は後よ・・・・」


あっ!金網を越えた!何か言ってる!

「聞こえる?真一?」

・・・・・助けて・・・お願い・・・・押さないで・・・・・

「マキ!助けてって言ってるよ」

・・・・女子高生の後ろを死神マリアが押した・・・・・

「止めろ!」

真一は思わず駆け寄った!

「真一!止めて!4日前の残像よ!」

「はっ!そうだった」残像とはいえ余りにリアルなので真一は興奮して体が動いてしまった。

・・・・すると・・・・

・・・・・「違うよ」・・・・・女の子の声がした・・・・・

・・・・・「私は、残像じゃないよ」・・・・・・

死神マリアが真一のほうを向いて言った!

「そんな、真一逃げて!早く!」

「わーーーっ」真一は体が凍りついたように動けなかった。