雷神、ここから先は俺が話そう。そう言うと今度は風神が語り始めた。


・・・・ナーシャ、君がそのような姿になったのはオベリスクが裏切ったからだ・・・・


「嘘だ!出鱈目を言うな風神!」


「ナーシャ!俺達が嘘を言っているのだったら。いつでも殺されてやるよ。だから最後まで聞いてくれ」


・・・・・オベリスクは魔界の王の地位と引き換えに君の命をサタンの生贄に捧げたんだ・・・・


「この話は真実だ!嘘だと思うのなら俺達は抵抗はしない。好きにしろ」


ナーシャは怒りにかられ無抵抗である雷神、風神を姿が見えないように糸でぐるぐる巻きにして、3人をオベリスクとマキのいる塔へと運んで行った。


部屋へ入るとナーシャは言った。


「オベリスク様雷神、風神、人間の遺体で御座います」


人間の遺体と聞いてマキは咄嗟に真一とわかり「真一の馬鹿!なんでこんな所まで付いて来たの!」大粒の涙が流れ出し止まらなくなった。



「ナーシャ、よくやった!下がって良いぞ」「どうした?何故下がらない」


「オベリスク様、お言葉で御座いますが、雷神、風神を仕留めた暁には元の姿に戻してくれるお約束のはずでは?・・・・」


「戻してやりたい気持ちは山々だが、肝心のお前の肉体は我妻レイラが使っていて無いではないか?」


「それでは、レイラを私が殺し、肉体を奪い返します」

「ナーシャよ、それはならんぞ」


「何故で、御座いますか?・・・・・それでもやると言ったら?」


「ナーシャ、聞き分けが無いな。そんな姿でも生かして貰えるように、サタン様にお願いしたのは私だ。その恩を忘れたか?」


「このような姿なら、死んだほうがましで御座います!」


「今日は、どうしたのだ?雷神、風神と再会して動揺しておるのか?」


「雷神、風神は私を魔界から助けてくれました。命がけで助けた私を魔界に戻したのはオベリスク様、貴方では御座いませぬか?」


「ほう、誰がそのような戯言を?そんな話を信ずるようになっては・・・・・」