風神は美由紀を肩に抱きかかえながら言った。


「風神君、雷神君!ありがとう。また宜しくね!」


マキが礼を言うか、言わぬかのうちに雷神は閃光と共に空高く飛び去った。


「それじゃあ、俺達も帰るか。真一、ケンさん送って行くよ」

そう言って二人と一匹を抱えた風神は天高く舞い上がった。





次の日学校に行くと・・・・

昼休みに美由紀が真一の所へやって来て。



「高島君、私、昨夜変な夢見ちゃった」


「へ~、どんな夢?」


「ここだけの話だよ、雷神、風神と言ってイケメンの男子が私を助けてくれたの」


「ぶっー」真一は噴出した。


「高島君、ふざけないで聞いてよ」


「はいはい、それで」


「それでね、一番近くにもう一人私を守ってくれた男子がいたんだけど」


あっ、それは僕だよ。真一は心の中で叫んだ。


「でもね、雰囲気は高島君に、とっても似てるんだけど、顔がぼやけてて思い出せないのよね~」


「何~!」真一は風神の仕業だとすぐに分かった。


「ちっきしょ~お礼言って損した気分!」真一がぶつぶつ言っていると・・・


「何で高島君が怒ってるのよ、私の夢の話なのに、も~」


「はいはい、それで?」


「それでね、目が覚めたら誰か他の人の服着てたの」


・・・・マキの服だ。交換したままだったんだ・・・・


「昔買ってもらってた服じゃないの?」


「そうかな~何か、ひっかかるんだけどな~。思い出せないのよね~」


「変な夢だな!」


「で、しょう~?」


「でも、夢で良かったな」


夢じゃないんだよ、本当は。僕と雷神、風神、マキとそしてケンさんが君の寿命を守ったんだよ。真一は心の中で呟いた。