雷を帯びた天竜の矢は閃光となって杖の目を打ち砕き杖はばらばらに散った。


「そんな馬鹿な!」オックスフォードの脳裏に恐怖の戦慄が走った。


「天界の竜のキバで作った矢に砕けないものはないのさ!もっと勉強してきなっ!」
雷神はそう言うと「風神、後は頼んだぜ」とぐったりとして地面に降りた。


「まだ、負けた訳ではない」オックスフォードは得意の無数のナイフを雷神、風塵に向け、放った。


その時、風神は無数の風を呼び音速を超える速さで交差させた、その風は一気に飛んで来たナイフを粉々に砕き、次にオックスフォードをズタズタに切り裂いた。


オックスフォードの体は闇に帰り、そこにはブラックカードだけが残った。




「マキ、終わったぜ」風神はマキに連絡をした。そして、すぐに真一達に告げた。


「真一、ブラックカードの回収ができたよ」


「良かった!美由紀、帰れるよ!」二人は涙ぐんで喜びをかみ締めていた。


「真一、帰るときは、地獄の門の鍵を門に差して左に回して!」


「わかった!マキありがとう」


「真一、また来てね!会えて嬉しかったよ!」と頬にキスをした。



真一は赤鬼のようになり、地獄も中々良いなと思いながら笑顔で手を振ってマキに別れを告げた。


地獄門の鍵を回すと、二人は地面から浮き出るようにして元いた場所へ戻った。



そうだ!真一は思い出したようにケンさんの元へ駆け寄った。


「ケンさん、大丈夫?」


「わいは、大丈夫や。しかし、危ないとこやったで」


真一はケンさんを抱きかかえながら・・・「ほんと!怖かった。死ぬかと思ったよ」


真一とケンさんの目に涙が光った。


すると、雷神が真一のそばにやって来て「お前が、真一か?マキから話は聞いてる。よく頑張ったな」と手を差し伸べてきて、握手を交わした。


「高島君・・・説明して・・・」


今度は、理解に苦しんでいる美由紀のそばに風神がやってきて、美由紀のオデコをちょんと突いた。すると倒れるように寝てしまった。そして心配そうにしている真一を見て・・・・

「心配するな、明日になれば今日の事は忘れているさ」