マキの必死の説得にも関わらず・・・真一は言った。

「それでも、助けたいんだ」

「真一、よう言ったで。それこそ日本男児や!」

「ありがとう、ケンさん」

真一の目に涙が光った。


「わかったよ、真一がそこまで思っているんだったら、彼女がオックスフォードにブラックカードを渡した瞬間に地獄門の鍵を彼女に刺して」

「刺す?大丈夫なの?」真一は不安そうに聞いた。

「大丈夫よ、怪我はしないから。それで彼女はブラックカードの呪縛から解放されるの」

「わかった、やってみる」

「その後、すぐにオックスフォードから逃げて!」

マキは心配そうに言った。



今だ!真一はタイミングを見て彼女に向って走り出した・・・・しかし後一歩の所で金縛りにあったように体が動かなくった。


オックスフォードが手を真一に手の平を向け、見下げるように言った。

「ほう、地獄界のアイテムを持っている人間がいるとは。何者だ?」

「お前なんかに答える必要はない!」

「そうか、だったら死ね!」

オックスファードが手を握った瞬間、真一の頭が割れるように痛み始めた。


「いつまで、持つかな?小僧」オックスフォードの不気味な笑いの中で、心配するマキの声がだんだん遠ざかっていった。

その時、隠れていたケンさんが決死の覚悟でオックスファードの足に噛み付いた。

イタタ、なんだこの犬は!オックスフォードがケンさんを蹴り飛ばした。

「ケンさん」真一は叫んだ!

「わいに構うな!今や!」

オックスフォードがひるんだ一瞬、体が動いた!真一は急いで美由紀に鍵を刺した。その瞬間美由紀は正気に戻り・・・

「あっ、高島君。どうして・・」

「説明は後だ、逃げるぞ!出口に向かって走れ!」

真一は美由紀の手を取って出口へと走り出した。