真一は、すぐに家を飛び出そうとしたが、マキが止めた。


「だって、早くしないと彼女の命が危ないじゃないか」


「大丈夫よ、すぐには死なないよ。ブラックカードに吸い寄せられた寿命を回収されるまでは寿命も、短くならないから」


「夜まで待つのよ」



マキの支持通り、真一とケンさんは美由紀の家の辺で深夜になるのを待っていた。


「マキ、本当に出てくるの?」

「今日、ブラックカードを使ってるから間違いないよ」



時計が深夜1時を指した頃、美由紀がふらふらと玄関から出て来た。


「美由紀!美由紀!」真一が声をかけたが、振り向きもせず夢遊病者のようにどこかへ向っている。

「真一、駄目よ。ブラックカードを持ち出した誰かが呼び寄せているのよ」


真一とケンさんは少しはなれて美由紀の後を付いていく事にした。すると今は使われていない古い倉庫へ着いた。

倉庫の中の誰かに美由紀は吸い寄せられるよに入っていった。


「真一、まだよ。倉庫の中にいるのが何者か分かるまで待って!」


割れた窓から月明かりが差し込み・・・・まだ見ぬ何者かをはっきりと浮かび上がらせた。


「オックスフォード!」マキが驚いたように叫んだ。

「なんだよ、そのオックスフォードって?」

「サタンの13番目のしもべよ!真一とケンさんだけでは危ないから、ここは一旦引き上げましょ」


マキは、真一とケンさんの身を案じて言った。しかし真一は・・・


「いやだ、美由紀の寿命が縮むんだろ。そんなの嫌だ、今助ける!」

「真一!死ぬよ!」