私は逃げたんだよ
自分が傷つきたくなかったら…
傷つくのが怖かったから
「ごめんね夏樹…」
声は震えていなかっただろうか?
ちゃんと笑えていただろうか?
せめて、せめて最後だけは笑顔の自分でいたかったから
駆け足で教室へ戻った私はクラスの注目の的だった
何せ私の顔は涙でぐちゃぐちゃだったから
それを見かねた亜純が私を教室から連れ出してくれた
「うぅ…」
「何があったのかは聞かないであげるから気が済むまで泣きなよ?」
そんな亜純の言葉に頷くこともできなかった私は亜純の制服のブレザーをグショグショに濡らしてしまうまで泣いた