「なつき…」
「……」
「夏樹ってば!!」
「黙れよ…」
自分で思っていたよりも低い声
由芽が怯んだのがわかる
今は傷つける言葉しか浮かばないんだ
「黙らないよ。あたしじゃダメ?あたしだって夏樹が好きだよ。奈緒ちゃんの代わりにはなれない?あたしと付き合おう?」
由芽が奈緒の代わり?
由芽と付き合う?
そんなの考えられねぇよ…
「俺はっ…」
「嫌だよ…」
俺の言葉を遮って由芽が俺に抱きつく
こんなの奈緒を裏切る行為だってわかってる
分かってるのに…
どうして由芽の手を振りほどけないんだよ…
―夏樹目線end―