―夏樹目線―


奈緒があいつとしゃべっているのを見て衝動的に走り出して間に入った



なのに…


『結城さんを泣かせたくせに』


その言葉に反論なんてできなかった



俺が奈緒を泣かせたのは事実だから



守りたいのに守れない、笑わせたいのに今は泣かせることしかできない




「夏樹!?…どこ行くの?」


「由芽…今一緒にいたらお前に酷いこと言いそうだ」



突き放したのに由芽は俺の後をついてくる



無意識に歩いて着いた場所は奈緒と初めて話した場所


ここから俺たちは始まったんだ