{春香said}


思わずあんな事言って逃げてきちゃったけど…


「どうしよう…。」

今さら戻れないし、

「春香?」


ビクッ


「…夢斗。」

振り向くとそこにはこちらを見つめる人が一人。

「お前、こんなとこで何してんだよ?」

「…別に、」

「なんかあったなら吐き出せばいいじゃん。
今なら俺の胸、貸してやるぜ?」

「……ッ……。」

自意識過剰な言い方で凄くムカつくはずなのに。

夢斗のさりげない優しい言葉に
我慢してた涙が溢れた。


「え!?ちょっ!!泣くなって!!

俺、なんか傷付けるようなこと言ったか!?
ごめん!!」


結局、止まんなくなった涙は数分して

ようやくおさまった。


「…大丈夫か?」


「うん…。」

うちが泣いてた間、ずっと背中を撫でていてくれた。
大きな手。

「あんま無理すんなよ?」


「ん。
ごめんね、もう大丈夫だよ。」

安心させるために笑いかけたのに、

「……//。

お前、マジそれは反則だわ…。」

…思いっきり顔を逸らされた。

「…こっち向いてよ。
てか、夢斗耳赤いよ!?
大丈夫!?」


「いや、何でもねぇから気にすんな//。


それより、春香は一人で何してた訳?」