「がっはっはっは、すまんな小僧。こいつ足が速くて捕まえられなくてよ~」


豪快に笑う毛深くがたいの良いおっさん。右手には先ほどの男が、気絶したまま抱えられている。


おっさんの話を総合するに、この男はひったくりをやらかし逃走していたそうだ。


「いやぁ、こりゃ恩に着るぜ。小僧、礼に飯をうちで奢らせてくれや」


「ん~、そうだなぁ……。……あ、それ仲間も一緒でいい?」

「仲間?」


少年は少し悩んだが、遠くに見えた金色の豆粒を確認し、微笑んだ。

その様子におっさんは首を傾げるばかり。